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【中目黒】超人気エリアで想定を超える賃料を実現した市場分析とリーシング計画とは?
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2025.11.13

Project: LEGASIS Nakameguro(レガシス中目黒)
所在地:東京都目黒区/東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒」駅
代官山、恵比寿と隣接する都内有数の人気エリア、東京都目黒区・中目黒。「中目黒」駅から徒歩2分の一等地で想定を上回る賃料を実現しているのが「レガシス中目黒」だ。綿密な分析に基づいたデザインや設備、最適なリーシング戦略で、物件の付加価値を高めてきた。
「レガシス中目黒」の事業主兼オーナーである大林新星和不動産の長谷川 佳明氏と、三井不動産レジデンシャルリースで企画・リーシングを担当した石見 平太と髙橋 修史に、エリア最高レベルの賃料を実現するために「レガシス中目黒」が取った戦略について聞いた。
「中目黒駅徒歩2分」という稀有な立地でエリア最高値の成約を目指す
──「レガシス中目黒」のプロジェクトがはじまった経緯について教えてください。
長谷川 佳明氏(以下、長谷川):「レガシス中目黒」の立地には、もともと弊社が所有していたオフィスビルがありました。一棟貸しで入居していたテナントの退去が決まったのと、築年数が経っていたことから、「中目黒」駅前という好立地を活かし、弊社のフラッグシップとなるような賃貸マンションとして建て替えることが決定しました。
弊社は、大林不動産と新星和不動産が2014年に合併してできた会社です。新たに賃貸マンション事業を立ち上げ、そのフラッグシップになる物件を作り、レガシスをハイグレード賃貸マンションとしての看板ブランドに育てていきたいという思いがありました。

大林新星和不動産 長谷川 佳明氏
──そのレガシスのフラッグシップになる物件が「レガシス中目黒」だったわけですね。三井不動産レジデンシャルリースにプロパティマネジメントを依頼することになったきっかけは何ですか。
長谷川:弊社が取り組む初のハイグレード賃貸マンション事業なので、以前から付き合いがあり、高額賃貸マンションの実績も豊富な三井不動産レジデンシャルリースに依頼することにしました。中目黒エリアのトップと評されるインパクトあるマンションを目指していたため、企画段階から相談に乗っていただきました。
石見 平太(以下、石見):「レガシス中目黒」は、都内でも有数の至高のロケーションと考えております。中目黒は人気の飲食店が多数あり、鉄道2路線が乗り入れる中目黒駅から徒歩2分と利便性も申し分ない。なかなか担当することがない魅力的な物件を扱うことになり、身が引き締まりました。
徹底的な市場リサーチを行い、解像度の高いペルソナを策定
──希少な物件ですが、どのように企画検討をしたのでしょうか。
石見:まず、想定顧客層となるペルソナを明確に絞り込むために、立地特性、人口・世帯動態、入居者属性という3つの観点からターゲット分析を行いました。
中目黒エリアは25~34歳の人口流入が多いですが、年齢別構成では35~44歳が最多です。20~40歳代の生活にゆとりのある方が主な入居者候補になると考え、キーワードを「High Society SINGLE」「Executive DINKS」と定めました。

三井不動産レジデンシャルリース 石見 平太
ペルソナ策定にあたっては、5万人に200設問超のアンケートを行い、オリジナル価値観クラスターを算出しました。中目黒エリアで勤務・生活される方の、「自由な考えを持ち、情報感度が高く、自分らしさやこだわりを大切にする姿」が浮かび上がってきました。
また、「レガシス中目黒」のような高額賃貸マンションを検討される方は当然、代官山・恵比寿・渋谷等の人気エリアのハイグレード物件と比較検討します。そのため、近隣エリアの人気物件にも引けを取らないグレード感が求められます。ただ、それでも企画さえ間違えなければ、この抜群の立地を活かしてリーシングが成功するという確信を持っていました。
新旧が混じり合う“中目黒らしい”デザイン
──「レガシス中目黒」の間取りやデザインで、こだわった点について教えてください。
石見:間取りに関しては、幅広なニーズを捉えたい点に加え、オーナー様の中長期に渡る事業のリスクヘッジとして、1Kから3LDKまで多様な間取りを推奨し、それが採用されました。例えば、一定のプランに偏らせてしまうと、10年後、20年後にマーケットや顧客ニーズが変化したときに賃料単価が下落してしまうかもしれません。それに加えて、建築効率にも配慮しながら、バランスの取れた最適なアロケーションを提案しました。
長谷川:デザインについては、外壁は街に馴染むやさしいカラーを選ぶなど、新旧が混在する中目黒の街と一体化するようなデザインを意識しました。室内も企画時期がコロナ禍だったこともあり、外出せずに快適な時間を過ごせるように、バルコニーを通常より広く、室内床と同レベルで仕上げています。これによりバルコニーで仕事をしたりくつろげたりする「ソト・ナカ」一体のシームレスな空間を目指しました。

街と調和しながらグレード感のある外観

デザイン性の高いロビー

3LDKタイプのリビング・ダイニング

室内とバルコニーがシームレスにつながる設計
──エリア最高値を目指していたということで、共用部も相応のグレード感が求められたのではないでしょうか。
石見:ハイグレードな物件を好む入居者に喜ばれる共用部空間として、弊社からは複数の共用施設とサービスを提案し、その中からワークラウンジとフィットネスルーム、そしてコンシアージュサービスを採用していただきました。オーナー様にも弊社が管理している高額物件にて利用者の雰囲気や設備を実際にご見学いただき、求められる共用部のイメージを擦り合わせていきました。
長谷川:三井不動産レジデンシャルリースの分析から、入居者属性としてIT系の経営者やフリーランス、デザイナーなどクリエイティブな職業の方も想定していたため、ワークラウンジは必須と判断しました。また、フィットネスルームは前面の山手通りからも見える設計にすることで、「レガシス中目黒」の前を通った通行人に「あの物件に住みたい」と思ってもらえる、フラッグシップ物件として相応しい構成にしています。

グレード感とカジュアル感を兼ね備えるワークラウンジ

山手通りを見下ろすフィットネスルーム
予告広告の反響から需要を予測し、賃料に反映
──エリア高水準の賃料を目指すために、どのようなリーシング施策を行ったのですか。
髙橋 修史(以下、髙橋):InstagramなどのSNSを活用して、具体的な賃料条件を掲示する前に「予告広告」を実施しました。賃貸マンションではあまり取らない手法なのですが、そこで想定顧客層に直接予算等をヒアリングすることで、最終的な賃料決定のためのデータを収集したのです。
我々としても「レガシス中目黒」のポテンシャルを感じていましたが、予告広告では想定以上に反響をいただき、自信を持てました。またそこでご登録いただいたお客様で見込みの顧客リストも作成し、募集開始時のアプローチにも役立てました。
さらにYouTubeやTVerなどの動画広告に加え、当社では初めての試みとして、ペルソナに基づいたターゲティング広告も実施しました。企画時に策定したペルソナを活かして、価値観で顧客を分類し、そこに該当するクラスターに向けて集中的に広告を配信したのです。
通常のWeb広告と価値観に基づくターゲティング広告を実施したことで、幅広いターゲット層の集客に成功しました。

三井不動産レジデンシャルリース 髙橋 修史
──募集はどのように進めていったのでしょうか。
髙橋:今回のプロジェクトでは高値を目指すために、長期でのリーシング計画を立てさせていただき、細かく期分け募集を行いました。成約条件を見ながら次期の打ち出し方や賃料を調整することで、着実に成約を積み重ねていくことができたと思います。
──エリア最高値を目指していましたが、実際に成約した賃料はどうでしたか?
現在の成約坪単価は2万円台半ばで推移しています。最高値の部屋では坪単価3万円台半ばに達しています。数字だけだとあまりピンとこないかも知れませんが、中目黒エリアの賃貸マーケットにおける上位に位置しており、想像以上の数字となっております。
データに基づく提案力で「レガシス」ブランドを確立
──振り返ってみて、「レガシス中目黒」が高水準値を付けることができた成功要因は、何だと思われますか。
長谷川:分析から企画、リーシングに至るまで三井不動産レジデンシャルリースにトータルでサポートいただけたことも勝因のひとつだと思います。高額賃貸マンションは弊社としても初めての取り組みでしたが、三井不動産レジデンシャルリースの分析結果を見て「ここまで細かく分析するのか」と驚きました。部屋の間取りや戸数についてもデータに基づく根拠があったため、理由を社内で説明しやすく、ありがたかったです。物件の設備仕様に関しても、他社との差別化手法についてさまざまなアドバイスを頂きました。
石見:近年弊社がビジネスインテリジェンスの活用に注力していたことが、今回の大林新星和不動産様へのご提案にも活かせたと考えています。エントランスのグレード感、2階の共用部設計や専有部のしつらえなど、全てがうまく掛け合わされたことで中目黒エリアでのマーケットリーダーとなる物件に成長したのだと思います。
髙橋:関係者全員で「エリア最高値を目指す」という目標に向けて意思統一ができていたことが重要なファクターだと考えています。オーナー様に竣工3年前の企画段階からご相談をいただけたことで、弊社としてもターゲット分析や募集にじっくり時間をかけることができました。

──最後に、今後の計画についてお聞かせください。
長谷川:今回のプロジェクトをきっかけに新たなハイクラス賃貸ブランドとしてレガシスを立ち上げることができました。三井不動産レジデンシャルリースをパートナーに選定し本当に良かったと感じています。「レガシス中目黒」は記念すべき第一号の物件です。中目黒のほかに代官山でも竣工しましたが、これを機に3棟、4棟とレガシスブランドを拡大していきたいですね。
【LEGASIS(レガシス)ブランドサイト】
LEGASIS(レガシス)|大林新星和不動産の賃貸マンション
【三井の賃貸「レガシス中目黒」公式ホームページ】


