CASE
三井不動産グループの力を結集して実現した、エリアを牽引する賃貸マンション開発
- 城南エリア
- DINKS
- リーシング
- 共用部
- 設備
2025.07.17

Project:グランドゥールプレミアム代々木大山
所在地:東京都渋谷区/「代々木上原」駅
プロジェクト概要
都内有数の高級住宅街として知られる代々木上原エリアにある大山町。現在、「グランドゥールプレミアム代々木大山」は、同エリアでも随一の高級賃貸マンションとして稼働中だ。
元々は社員寮として利用されていた用地を賃貸マンションとするため、オーナーである中電不動産株式会社から三井不動産レジデンシャルリースにコンペ参加の誘いがあったのが2020年12月頃。近隣にある「グランドゥール代々木大山」を含む複数の管理実績を評価されての依頼であった。
今回目指すのは同じグランドゥールでも「プレミアム」という名称の通り、本オーナーが所有する賃貸物件の中でも最高水準のマンション開発である。コンペの末、PM(プロパティマネジメント)及びBM(ビルマネジメント)を担当することになった三井不動産レジデンシャルリースは、「グランドゥール代々木大山」をはじめとする同エリアの豊富な管理実績を活かして、賃貸総合企画に着手した。デザインでパートナーに選定したのは三井デザインテックだ。三井不動産レジデンシャルリースはどのようにしてエリアを代表するマンションの開発を実現させたのか。三井不動産グループのシナジーを活用したマンション企画のプロセスを紹介する。

大山町にある日本最大のモスク「東京ジャーミィ」
課題
- 代々木上原エリアにふさわしい共用部スペースの活用と空間デザイン
- 長期的に競争力を保てる専有部設備、グレードの検証
三井不動産レジデンシャルリースの解決策
三井不動産レジデンシャルリースが「グランドゥールプレミアム代々木大山」の企画を提案するにあたり、大きなアドバンテージになったのが同じオーナーが経営する「グランドゥール代々木大山」の管理実績だ。三井不動産レジデンシャルリースは賃貸総合企画を担当する際、同エリアで管理している物件の実際の入居者の属性データに基づいて、綿密な新規物件のターゲット分析を行う。近隣の物件を管理していることは、より明確なターゲットを想定しながら企画を練ることを可能にする。
今回メインターゲットに設定したのはDINKSだ。1LDK・2LDKの間取りで、納戸をワークスペースとしても活用できる等、共働きでもストレスなくリモートワークができるように配慮した。企画提案時は苦しくもコロナ禍。ワークスペースの確保が近隣物件と比較した競争力になることが想定された。
三井不動産グループのシナジーを活かした提案
リモートワークへの配慮は、共用部にも及んだ。トレーニングジムなど、さまざまな共用部の利活用案を検討した末、最終的に採用したのは4つの個室ブースを含むコワーキングスペース及びラウンジだ。
実現にあたって、三井不動産グループでデザイン・設計を行う三井デザインテックをパートナーとして選定。東京で数々の高価格リーシング物件を手掛けてきた、三井不動産レジデンシャルリースと三井デザインテックのノウハウを結集し、ラウンジに置く家具一つひとつに至るまで、ターゲットに対して価格訴求力のある空間デザインを作り上げていった。
一方、裏側では綿密に事業性も検討した。コワーキングスペースの案を採用するにあたっては、共用部スペースのランニングコストも計算に入れ、維持管理費を軽減しながら入居者のニーズに添うことができる点も加味した。
今回の案件のオーナーである中電不動産株式会社は名古屋に本社を置く企業だ。そのため三井不動産レジデンシャルリースへの期待として、東京の高級賃貸マンション市場に対する知見とノウハウがあった。
共用部の提案にあたっては、高価格リーシングを実現している他管理物件の内覧を実施した。また、三井不動産が運営する法人向けレンタルオフィスサービス「ワークスタイリング」の見学などを通じて、ワーク環境としての個室ブースの重要性の理解を深める取り組みも行った。
多面的に三井不動産グループとしてのシナジーを活かしながらオーナーとの合意形成を進めていったこともあり、プロジェクトはスムーズに進行していった。

共用部のラウンジスペースとコワーキングスペース

コワーキングスペースには個室ブースも設置

トップブランドにふさわしい「プレミアム」なデザイン
専有部もまた、高い賃料に見合うだけの魅力ある設備とデザインを検討する必要があった。事業性に鑑みながら、コストをかける部分とそうでない部分、言い換えれば賃料に影響を与えうる部分とそうでない部分を精査した。
浴室テレビは不要だが、床暖房、食洗機、全室エアコンなどの設備は外せない。洗面所の間接照明はデザイン面から欠かせないがキッチンの天板でコストダウンできないか、など。入居希望者から見た賃料の妥当性と事業性を交互に見ながら、部屋のグレードごとに設備の調整を行い、最適なラインを探っていった。
またインテリアデザインに関しては、三井不動産レジデンシャルリースの技術支援部門であるソリューション推進部に在籍するインテリアコーディネーターと三井デザインテックが協業しながら「Urban Relaxing(都会の中のくつろぎの住まい)」をテーマにして、カラースキームを構築。グレーを基調とした「light」「Medium」「Dark」の3種類のカラースキームは、いずれも上質でありながら癒やしも感じさせる。壁紙、建具など一つひとつの細部にこだわりながら、「プレミアム」にふさわしいイメージを作り上げていった。
そしてここでもオーナーとの話し合いの中でベースになったのは、既存管理物件の事例と競合物件の詳細な分析だ。質の高いデータを下地にしながら、より生産性の高い話し合いが行われた。

「プレミアム」なイメージの専有部
「パートナーとしてリースを選んでよかった」の声
「グランドゥールプレミアム代々木大山」の賃料は概ね30万円~40万円ほど(2022年募集開始時)。有数の高級住宅地であることを加味しても、チャレンジングな賃料設定であった。それにも関わらず2022年11月に募集を開始後、順調にリーシングは進み、結果は当初の目論見通りの2ヵ月で満室となった。
本エリアにおける「プレミアム」な賃貸マンション開発が成功を収めたのには2つの成功要因がある。1つは、三井デザインテックと共にグループシナジーを最大限に活用した点。そしてもう1つはオーナーを含めて、高価格リーシングを実現するための付加価値について、関係者が一丸となってとことん考え抜いた点である。
大山町の賃貸マーケットでトップブランドの賃貸マンションにしたい。そんな願いが込められた「グランドゥールプレミアム代々木大山」は無事、実現に至った。「パートナーとしてリースを選んでよかった」。三井不動産レジデンシャルリースの担当者がいただいたオーナーの声こそが、今回のプロジェクトの成功を表している。