CASE

老朽化したマンションを建て替え。新宿御苑前の“まるでホテル”なマンションはどのように生まれた?

  • リーシング
  • 都心3区

2025.10.21

Project:ハレマカニ御苑

所在地:東京都新宿区/東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」
事業種別:新築マンション

日本有数の繁華街と高層ビル群が立ち並ぶ新宿だが、中心部から少し離れると驚くほどに閑静で豊かな自然が広がる。58.3ヘクタールの広さを有する新宿御苑はまさに都会のオアシス。東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅の周辺は新宿の中心部に隣接しながら落ち着いた住環境も望むことができる、人気エリアだ。

新宿御苑前駅エリアに2021年1月に竣工したハレマカニ御苑は14階建・総戸数37戸(賃貸戸数36戸)の賃貸マンション。徒歩圏内に緑豊かな新宿御苑があり、東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅から徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線・都営新宿線「新宿三丁目」駅から徒歩9分と交通アクセスにも優れた好立地だ。洗練されたホテルのようなデザインは周辺エリアのマンションと比較しても際立つ。

三井不動産レジデンシャルリースは計画地の個人オーナーより老朽化した賃貸マンションの建て替え相談を受け、周辺エリア調査、設備仕様の提案、施工会社の選定支援など、ハレマカニ御苑の事業推進を多岐にわたってサポートした。

オーナーの想いに寄り添いながら事業の採算性も担保し、同エリアで有数の高級賃貸マンションをオーナーと二人三脚でつくりあげていく。そのプロジェクトの過程を紹介する。

課題

・老朽化物件の建て替えによる事業収益の向上
・求められる商品企画力とそれを実現する推進体制
・オーナーの想いに寄り添ったプロジェクト推進

三井不動産レジデンシャルリースの解決策

本企画の依頼主は東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」周辺に賃貸マンションを保有する個人オーナー。
保有する賃貸マンションは築50年と老朽化が進んでいたことから賃料水準・稼働率ともに低下し、今後の資産のあり方に課題感をお持ちであった。
資産活用に関する幅広い知見を持つ三井不動産グループにご相談いただいたことがきっかけとなり、三井不動産グループの中でも賃貸マンションの総合企画から運営・マネジメントまでワンストップで提供する三井不動産レジデンシャルリースが担当する本プロジェクトが始動した。

調査に基づき、最適な商品企画と住戸アロケーションを提案

不動産価値の最大化のためにはマーケットにおけるポジショニングを明確にするプロセスが欠かせない。
ご相談を受けて、まず三井不動産レジデンシャルリースが取り組んだのも周辺マーケットの調査であった。計画地周辺は新宿エリアが生活圏内になるという優れた立地特性を持つ。また四谷や大手町といったオフィスエリアにも通勤しやすい立地であるため、シングルのほかDINKs世帯に対しても多くの需要が見込める。調査からも周辺エリアではシングルタイプの賃料坪単価が高い一方でリーシングにおいては1LDK、2LDKが好調であることがわかった。

三井不動産レジデンシャルリースは調査に基づき、エリアの需要と供給、賃料シミュレーションなどを踏まえながら、最適な住戸アロケーションを企画・立案。シングル向けの1Kの間取りをメインプランにしながらも、より多くの需要が見込める1LDK、2LDKの間取りもサブプランとして提案し、ご採用いただくこととなった。

商品企画に求められる建物品質を実現可能な推進体制の提供

次に、三井不動産レジデンシャルリースがこれまでの豊富な実績で培ったパートナーネットワークから施工会社をご紹介し、最終的に選定するまで支援した。

三井不動産レジデンシャルリースが提供する「賃貸総合企画」においては、商品企画に特化した専門部署が全面的なサポートを担当する。想定顧客層となる入居者をお迎えするマンションの顔ともいえるエントランスや、多くの時間を過ごすことになる住戸内のデザインや快適性、キッチン・バス等の水回りのグレードはどうあるべきか、ディテールにまでこだわり考え抜く。このように建物外構・共用部分や住戸内装・設備仕様の企画全般に対する支援を通じてプロジェクトをリードし、将来にわたって競争力を維持し続ける商品企画を仕上げていく。
また事業予算の範囲内でどこにコストを配分すればより効果的に商品力を高めることができるのか、事業パートナーである施工会社とアイデアを出し合うプロセスも大事にしている部分である。
こうしてオーナーのご要望と高い商品力を両立させる最適解を見出し、実現していくのが「賃貸総合企画」である。

ホテルのようなラグジュアリーな雰囲気のエントランス

高級感のある居室空間のデザイン

オーナーの想いを大事にしながら二人三脚で進めるプロジェクト

多額の投資を伴う賃貸マンション事業においては、事業性を担保することが重視される一方で、オーナーの想いを事業に反映させていくことも重要な要素である。
ご所有されている土地への愛着や土地の歴史、事業を通じた地域への貢献等、お考えやご要望を丁寧にお伺いして、事業性とのバランスをとりつつプロジェクトに採り入れていく必要がある。

今回のプロジェクトにおいてもオーナー、三井不動産レジデンシャルリース間で何度も打ち合わせを行いながら、事業企画から商品企画詳細まで合意形成を図っていった。
賃貸マンション経営のプロフェッショナルとして、実績に裏付けられたさまざまなデータを駆使して、より入居希望者に訴求する商品企画をご提案。オーナーに提案内容をご理解いただきやすいように、参考となるような自社管理物件を案内する等、納得感を高めていただけるように心掛けた。

その一方でオーナーの想いに寄り添い、ご要望を反映できるように務めた。ホテルのような雰囲気に仕上げたいというオーナーのご要望を叶えるために、マンションを内廊下とし、またエントランスにはオーナーのご親戚である陶芸家の作品を展示したうえで、作品が最大限に映えるような照明等の演出もご提案した。なお本マンションの物件名称に冠されている「ハレマカニ」とはハワイ語で「風が吹く家」を意味し、ハワイに思い入れの深いオーナーによるネーミングである。

オーナーと二人三脚でプロジェクトを進めて晴れて竣工したハレマカニ御苑。ホテルのような上品さと快適な住空間を兼ね備えた本マンションはオーナーに大変ご満足いただいている。また入居者からも好評を得ており、高水準の賃料帯でリーシングを開始したハレマカニ御苑は、竣工から数年を経過した現在まで高稼働率を維持している。(本稿掲載時点)

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